2019年3月 - 6

もう3月も終わる。


KAMIJOのDream live with Orchestraは素晴らしい出来だった。

2年前、2017年の夏に観たEpic Rock Orchestra追加公演、あれめっちゃ楽しみにしていて、あのライヴのためだけにディルのMACABREツアーの途中でわざわざ一度大阪から東京に帰ってきて、翌々日に再度名古屋に行くとかいう無理日程(普通に平日だったが、仕事は全休み)を組んだのに、蓋を開けてみればKAMIJOは全然歌に集中できていないわ、音のバランスは乱れてるわで、私としてはあまりいいライヴではなかった。企画は間違いなくいいのに、それを具現化するって難しいんだな、と思った残念なライヴだった。

あのときの二の舞になりませんように、ということだけを祈りながら、仕事後に六本木に向かった今週の水曜日。今回は、最高だった。

感動的なMCがあったわけでも、嬉しい告知があったわけでも、メンバーが死んだわけでもなんでもないのに、ライヴ中に複数回、ほんとうに泣いてしまった。そしてそれ以上に、何度も何度も繰り返し鳥肌が立った。

大好きなアーティストのライヴとはいえ、一本のライヴの最中にこんなにも感動したのは初めてだったかもしれない、それくらいよかった。よく、「チケット代の元を取った」とか「実質無料」とか言うが、それどころか「このチケ代では払い足りていない」と思ったライヴだった。

ちょうど11年前、まだ学生だった2008年の3月に、元LAREINEのあのKAMIJOが新しいバンドをやっているということを知り、その音楽をすぐに好きになった。気づけばあれからそれなりに時間が経ち、私は未だにKAMIJOファンでいて、東京でワンマンがあればそこそこ観に行くという生活を続けてきたけれど、お陰でこんな場所に連れてきてもらえるなんて、11年前には思っていなかった。

ありがとうKAMIJO。文句なく素晴らしかったです。



こういう圧倒的な仕上がりのものを観てしまうと、いざというとき中のいざというときである、おそらく最初で最後の武道館公演があんなひどい出来になってしまうVersaillesは、やっぱりもうだめなんだろうか、と思ってしまう。企画の具現化力とか以前に、普通にライヴをやるだけのスタッフ調達力がもう足りてなくて、ライヴとして最低限のところすらできてなかったもんね。

今はKAMIJOソロがめちゃくちゃ好きだけど、たまにはVersaillesも観たいなとか思うのだが、来年以降もあまり期待しない方がよいのかな。少なくとも、ソロと同じだけの完成度は期待しちゃいけないな、とは思っている。