2018年12月 - 4

先日、生まれて初めて電車とホームの間に物を落とした。


乗換駅で電車を降りるときに、同じ電車に乗っていて後ろから来た人に足を踏まれ、パンプスが脱げて、しかもそれがちょうど降車のタイミングだったために脱げたパンプスがそのまま電車とホームの間の隙間に落ちていった。

もちろんパンプスが脱げたことにはすぐに気がついたが、つまづいたような状態になって焦り、直後に後ろから来た人(足を踏んだ人と同一人物なのかは不明)から「あぶねーじゃねーか‼︎」と大声で怒鳴られてさらに焦り、一瞬思考停止してしまった。

我に返ってから数秒後、ホームから電車に乗ってくる人と一緒にもう一度車内に戻ってみるも、ドア付近にパンプスは落ちておらず、ああ線路に落ちたかも、とここで初めて思う。しかし電車の発車と同時にホームドアが閉まるため線路を覗き込むことができず、パンプスの行方を確認できない。


その日は運悪く雨だった。一方で、運がいいことにそこはホーム内での乗降者数がそこそこ多い乗換駅だった。あちこちに警備の人がいたため、片方しか靴を履いていない状態で濡れたホームを十数歩歩いて警備の人のところまでたどりつき、事情を説明。この時点で片足が完全に濡れる。

警備の人が駅員さんに連絡して、線路内を確認しますと言ってくれて、線路に落ちたものを拾うための、あの枝切りばさみ的な見た目の道具を出してくれた。

しかし、なんせ朝の時間帯のため、電車が3分おきくらい(体感値)でどんどん来る。そして電車の間隔が3分おきだとして、実際に線路に落ちたものを拾える時間って1分超くらい(体感値)しかない。

電車が走り去ったその瞬間に、駅員さんが鍵を使って該当のホームドアだけを開け、すぐに他の警備の人がホームの線路際にひざまずいて、線路に落ちそうな姿勢であの道具を使いパンプスを拾おうとする。しかしパンプスはホーム下の手前側に落ちたらしく、かなり拾いにくい模様。次の電車が来るぎりぎりまで粘るが、やはり無理で、撤退の合図を出して警備の人達が下がり、駅員さんがホームドアを閉め、すぐに次の電車が来る…


それを何回か繰り返し、10数分くらいかけてパンプスは拾い上げられた。最終的には駅員さんと警備の人が4人くらい集合、しかも途中から片足分のサンダルを貸してもらえて、それまでずっと片足立ちで待っていた私はとても助かった。

パンプスはもちろん汚れたが、電車に轢かれはしなかったので無事だった。こういうことがあると、大したものでない安いヒールを履いていてよかったとほんとに思う。普通に歩いててパンプス脱げたことなんてないけど、あれだけ強くふくらはぎあたりから思いっきり踏まれたらそりゃ脱げるよ。

電車の中や駅でパンプス踏まれるの、ほんとに嫌。混んでる場所では仕方ないときもあるけど、せめて一言謝れよと思う。



中目黒駅の駅スタッフの方々、朝からありがとうございました。

そして、足踏んだ人は一言謝って。あと後ろから怒鳴ってきた人はもっと落ち着いた上で、100回くらい謝ってくれ。