2022年7月 - 3

7/8の昼、安倍元首相が射殺された。

大きな事件があった日に自分が何をしていたかを記録しておきたいので、この日の日記を書いておく。


いつもはお昼休みにニュースを流し読みするけど、この日は人とランチに行っていたので、事件直後の報道には気づかなかった。午後からの出張のために移動していて、途中でスマホでニュースを見たら、トップニュースとして「安倍元総理の演説中に銃声」「意識不明」みたいな見出しが大きめのサイズで載っていて、え、なにこれ?私なんか変なページ開いたかな?と思って焦った。

それでツイッターを見てみたら、たくさんの媒体からの記事や一般人からの写真や動画が載っており、どうやらフェイクニュースではなさそうなことを知る。えっ、そんなことあるんだ、と思った。歴史の教科書に白黒写真だかイラストだかで載っているような、戦前の話っぽい。その後も、ケネディ大統領暗殺とか、オウム真理教の村井秀夫殺人事件とか、国松警察庁長官狙撃事件とか、歴史の時間に習ったことや、小学生の頃にテレビでニュース映像で観ていたような昔のことばかりを思い出した。

ツイッターの知らない人たちが、救急車に乗るまで受け答えをしていたから大丈夫とか、あれは散弾銃だとか、銃身を削った特注品だとか、散弾銃の所持には毎年の精神科医の診断が必要なので明確な殺意を持ってやったんだろうとか、二発で命中させるなんてその手のプロの仕業だから背景の解明には時間がかかるだろうとか、それぞれが信じていることや信じたいことを含む推測をたくさん書いていた。

その後、出張先で仕事を終えてスマホ機内モードから戻してみると、夕方に安倍さんが亡くなったとのニュースが載っていた。ツイッターには、昼に私が見たものよりももっと詳細な現場写真や動画がたくさん載っていて、ついつい複数見てしまった。その後のテレビニュースでも、二発目が当たる瞬間だけはさすがに映していなかったのではないかと思うが、その直前までや、撃たれた後の周囲の動画や音声は普通にばんばん流してた。大事件時に、明らかに死の淵にいる公人の写真や動画って一般の大手メディアに載るものなんだっけ?と思ったけど、こんな事態はこれまで滅多になかったんだから前例も何もないのだろうか。


私は安倍元総理とは政治的思想のほとんどが真反対だったので、一切の支持はしていなかったが、それでもこのニュースにはかなりのショックを受けたので、自民党や彼の支持者の人たちはもっと大きな衝撃を受けているだろうと思う。白昼、メディアも一般人もカメラを向けている衆人環視下で、ここ十数年の日本の政治家の中でも現時点でトップレベルに認知度が高い元首相が撃たれて、亡くなるなんて。

この日、一緒に出張に行っていた同僚は今度US出張に行くのだが、「出張先では最近銃を使った犯罪が結構増えていて治安が悪いから、あんまり行きたくないなと思っていたが、日本でも銃を使って元首相が殺されるなんてことがあるとは思っていなかった」と言っており、ほんとだよ、と思った。

私はこのままだとずっとこのニュースを見続けてしまって精神によくないなと思ったので、出張帰りの一人移動中はニュースサイトやツイッターを見るのを一旦やめて、KANEBOの秋新作のオンライン発表会を観ていた。綺麗な人々や綺麗なコスメがずっと流れていて、気分転換できてよかった。KANEBOのブランドステートメント、「美ではなく希望を語る」なのだが、美しいものやこと、それ自体がもはや普通に希望だな…と思ってしまった。