2020年9月 - 6

半沢直樹の最終回が終わった。かなりの高視聴率だったらしい。


半沢直樹という単語を見ていつも最初に思い出すのは、前作がテレビで放映されていた2013年当時の元上司のこと。

当時は全体で人が多かったしチームの人数も多かったので、結構頻繁にチーム飲みをしていて、その飲み会の途中で半沢直樹の話になり、当時の上司が「観てるよー!面白いよね」と朗らかに言ったのだった。

その上司は、仕事中は誰に対しても非常に穏やかで紳士的なタイプの人で、タイトルが上の人に対して表でも裏でも楯突くようなタイプではなかったので、そんなふうに見える人が、激情的に上に歯向かう半沢直樹のドラマを面白いと評したことが我々からすると面白かった。


その上司はその後リストラされていなくなり、私は上司が変わって変わって変わってさらに変わった。

直属上司が解雇されるという事態を、私はあのとき初めて経験した。ある日突然、なんの周知もなしにふっといなくなり、机の上もそのままなもんだから、私の感想は「今日は珍しくメールの返事が遅いな」「ていうか会社来てないのか、出張かな?」「あれ今日もいないな、sick leaveかな?」という変遷を経て、数日後にやっと、彼は解雇されたのだという結論にたどり着いた。

半沢直樹の話をしたあの飲み会での自分の机の席順を未だに覚えているのだが(私はなぜか自分が参加した特定の飲み会での席順を数年経っても覚えていることがある)、あの飲み会にいた人は私一人以外、全員いなくなってしまった。まあ7年も経ったから当たり前なのかな。今となっては、もはやサイト内のチームという概念自体が懐かしい。複数名いないとチームにはならない。



先週は、私が入社後に数年間やっていた仕事でめちゃくちゃお世話になっていた他サイトの同僚が退職してしまい、退勤直前に届いたラストメッセージを読んでため息が出た。これで、当時一緒に仕事をしていたチームメンバーは、日本以外の他サイトも含めて遂に全員いなくなってしまった。

彼からは、民間企業で顧客と仕事をするということ、他サイトと遠隔で仕事をするということ、互いに別のベクトルに価値観がぶっ飛んでいて多様性ありすぎな複数名で協力して一つの仕事を進めるということなどについて、ほんとうに多くを学んだ。

都度めんどくさいつっこみをしてくる社内の人間、短期的にはイラっとするけどやっぱり大事にしないといけないのだ。そこを見逃し続けて、最後の最後で顧客にそこを突かれて、いや現状何も対応できていません、となった瞬間に全てが終わるのだから。

COVID-19の影響でたぶん今年は来日していなかったので、去年来ていたときにオフィスで少し雑談したのが今の会社で顔を合わせた最後になってしまったけど、またどこかで縁があるといいな。